Carpenter

Work of a palace carpenter

「KAHOU’s one day」
writer:Kazuhiko Minami / photograph:Ryota Baba

宮大工の歴史は1,500年とも言われています。そんな伝統を受け継ぎ、家づくりに携わる職人達は、
どんな想いで何を考え、日々仕事に取り組んでいるのか。そこには、木と触れ合い、自然や住まい手と誠実に向き合う人の姿がありました。

普段話す時は、人に合わせて穏やかに話す皆さんですが、仕事が始まると一転し、真剣な眼差しで道具の手入れをしたり、意見を出し合ったり、実直に木と向き合い、それらを手仕事で刻むことでカタチを生み出しおられました。ここまでの真剣さや緊迫感が日常の中にあることに驚きつつ、そこに触れられたこと自体が「なんとも贅沢だ」と思わされる程でした。

天峰建設の創業者であり、現会長の教哲さんがこんな話をしてくれました。「昭和63年、株式会社として天峰建設を立ち上げた時に『何のために天峰を立ち上げるのか』『天峰の一番の存在価値は何なのか』と、色々考えました。とにかく日本一の宮大工になろうという想いでこの仕事をしてきたので、『社寺建築で有名になりたい』『日本中の人に知っていただけるような工務店にしたい』それが私たちのスタートになったんです。けどね、規模を大きくしたいわけじゃないんです。小さくてもいいから、たくさんの人が驚くような日本一輝いている工務店をつくりたいと思ってるんです。若い人や子ども達に夢を持つきっかけをつくっていきたいと思ってたんですね。これを実現するためには、まずは『日本一』になることだと思ったのです。地域の工務店が、日本中に影響を与えて、後世に受け継がれても夢を実現し続けていく。大工は世界一魅力的な職業です。日本の木造建築物は世界一です。伝統技術を、後世にまで残さなくてはいけない。『ものをつくる』『ものを残す』、そのためには人づくり、そしてより良い人材を後世に残していく。1000年後、2000年後と、いつまでも技術が伝承され続けることを願っています。」

株式会社天峰建設 現会長

澤元 教哲

Michinori Sawamoto

昭和33年水窪町出身。
周智郡森町の職業訓練校を昭和48年に卒業後、磐田市鎌田の奥田建築に入社。18歳のときに鎌田神明宮の大遷宮(60年に一度)に携わったのがきっかけで寺社建築に興味を持ち、浜松市中野町の宮大工・故菅沼照二氏の下で修行を積む。また、卓越技能者として黄綬褒章、厚生労働大臣表彰「現代の名工」など数多くの表彰と認定を授かる名工。

社寺建築を日常の仕事にしている会社だからこその強みであり、木の状態を判断しながら適材適所に使い分けることができる宮大工がいるからこそできること。それは、原木から木を取り扱うということ。この日は、原木を仕入れに市場に出向いてきました。

目利きをしながら、宮大工である社長がこう話してくれました。「木は、自然の恵みだと思うんです。だから僕らはその良さを最大限活かさないといけない立場にいるんです。こうやって1本1本木の表情を見て、どこに使うのが良さそうだなって想像を膨らませながらいつも選んでます。」この人達は、根っから物づくりが好きなんだなと感じつつ、素直に良い物をできるだけ手が届く形で届けられるように、住まい手のことやその将来を考えていることがよく伝わってきました。

無垢の木を巧に扱い、木を組み上げていく。そして、左官などの手仕事で隅々までこだわる。職人だからといって荒くたい訳ではなく、一つ一つが繊細で丁寧。かつ設計は自然と共生することにこだわることで住まい手の居心地を追求している。その真意を社長に問うと「高気密高断熱や高耐震といった現代の家づくりは、私たちにとっては初め受け入れ難い物でもありました。けれど、学べば学ぶほどに建築とは深い物です。住む人の安心や安全、そこでどんな風に暮らすのか、そのどれもを中途半端にはしたくない。だって職人ですから手は抜けないものなんです(笑)」と恥ずかしそうに胸の内を明かしてくれました。

代表取締役社長

澤元 薫

Kaoru Sawamoto

昭和56年磐田市出身。
中学時代に宮大工である父の姿に憧れ、高校卒業後は大阪府にある鳥羽瀬社寺建築に弟子入りし、国宝や重要文化財といった日本における重要な寺社建築の工事に携わる。厳島神社の能舞台などの貴重な現場体験を経て、平成18年に天峰建設に入社。令和3年4月に弊社代表取締役に就任、新築住宅部門立ち上げに着手。令和5年にKAHOUブランドリリース。

家や社寺を建築させてもらうからこそ、長くその建物を守り続けることが大切。そう話す社長は、天峰建設で宮大工を育てることにも熱意を燃やしていました。次の担い手を育成する、これも家づくりをする時、どんな工務店やハウスメーカーに頼むかにおいて大切なポイントなのかもしれません。誰と造り、誰がそばにいてくれるのか。「建てるという仕事は責任が大きいからね。当たり前だけど人間としての基本や所作、道具を大切にする心、木のことや地域の環境を知ること、現場で大工仕事に入る前に身につけて欲しいことはたくさんあります。」とこれからを担う彼らに語りかけていました。

仕事がひと段落してのコーヒーブレイク。社長にふとこんなことを聞いてみました。「社長が思う宮大工としての強みはなんですか?」それに対して社長は「木材を扱うことにおいては、誰にも負けない知識と技術があるということかな。普通の大工と違って、緻密な計算と繊細な仕事を数多く経験してますし、家づくりにおいてもお客様の要望を木組みのデザインで上手く仕立てることとか、大事な性能も精度の高い施工で実現したり、コストもバランスを考えて提案したり。どれも引けを取ることなく叶えることにつながっていくんじゃないかなって思ってます。僕らの良さを活かしてお客様が自然体で暮らせる環境をちゃんと提案ができるし、そこに魅力を感じてもらえたら嬉しいですね。」と答えてくれました。

株式会社天峰建設

注文住宅「KAHOU」公式サイト

〒437-0057 静岡県袋井市横井115-3

TEL:0120-43-6773

MAIL: info@tenpou.net

施工エリア

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