浜松 磐田 袋井を中心とした県西部で「木の香りと暮らす」をコンセプトに家造り|宮大工の伝統技術を活かした耐震等級3×高気密高断熱の住まい|宮大工天峰建設 注文住宅ブランドKAHOUの澤元です。
お盆休暇を利用して、寺院巡りをしてきました。
場所は香川県三豊市です。
昔から一度見てみたいと思っていた、本山寺の本堂と仁王門を見学してきました。
本山寺は四国八十八ヶ所霊場第70番札所で、境内には本堂をはじめ、仁王門、五重塔、大師堂など多くの建物が建ち並んでいます。
今回、特に見たかったのが「本堂」と「仁王門」です。
本堂は国宝、仁王門(二王門)は国の重要文化財に指定されています。
鎌倉時代から残る国宝「本山寺本堂」
本堂は、鎌倉時代後期の正安2年(1300)に建てられた建物です。
桁行五間、梁間五間のほぼ正方形に近い平面で、屋根は一重の寄棟造、本瓦葺。正面には三間の向拝が設けられています。
文化庁の資料でも「密教本堂の好例」とされている、非常に価値の高い建物です。
実際に本堂の前に立って、まず感じたのが重心の低さと落ち着きのある佇まいでした。

大きな寄棟屋根が建物全体を包み込むように架かっていて、軒も深く、横方向への広がりを強く感じます。
華美に見せるというより、屋根、柱、軒廻りなど、それぞれの部材のバランスによって建物全体を美しく見せている印象があります。
宮大工として見ると、こうした建物は遠くから全体を見るだけでなく、近づいて軒廻りや組物、虹梁、蟇股などの細かな部分まで見たくなります。
一つ一つの部材だけを見るのではなく、
「なぜこの大きさなのか」
「なぜこの位置に部材が入っているのか」
「この屋根を、どのような構造で受けているのか」
そういったことを考えながら見ていくと、建物の見え方も変わってきます。
ただ装飾を付ければ建物が美しくなるというわけではなく、構造として必要な部材を美しく見せながら、全体の姿を整えていく。
そういったところに、中世寺院建築の魅力を感じます。
重要文化財の仁王門
もう一つ見たかったのが仁王門です。
文化庁の資料では、本山寺の仁王門は室町時代中期の建物とされており、三間一戸の八脚門、切妻造、本瓦葺となっています。
八脚門とは、中央の本柱の前後に控柱を設けた形式の門です。
本堂とは建てられた時代が異なりますが、こちらも非常に落ち着きのある門です。


門という建物は本堂と比べれば規模は小さいですが、その分、柱の太さ、軒の出、屋根勾配、組物などのバランスが建物の姿に大きく影響します。
実際に見てみると、決して大きく見せようとしているわけではないのに、しっかりとした存在感があります。
こうした「大きさではなく、部材の割合や配置によって建物に風格を持たせる」ところも、寺院建築を見るうえで非常に勉強になります。
中世の寺院建築から学ぶこと
本堂と仁王門を見て改めて感じたのは、中世の寺院建築には学ぶことが本当に多いということです。
本山寺の建物を見ていても、構造として成立させることだけではなく、柱の太さ、軒の深さ、屋根の大きさ、組物や装飾材の使い方など、建物全体のバランスが非常によく考えられていると感じました。
宮大工として寺院建築に携わっているからこそ、こうした古い建物を実際に自分の目で見ることは大切だと思っています。
写真や図面から学べることもたくさんあります。
しかし、実際にその場所に立って、
「この軒の深さだから、この佇まいになるのか」
「この柱の太さだから、この屋根を受けても重たく見えないのか」
と感じることは、実物を見なければ分からない部分でもあります。
700年以上前の大工たちが、どのような考えで木を組み、どのような感覚で建物全体の姿を整えていったのか。
もちろん、すべてを理解することは簡単ではありません。
だからこそ、これからも古い寺院建築をできるだけ自分の目で見て、構造や意匠、部材の納まりを一つずつ勉強していきたいと思っています。
そして、そこで学んだことを、私たちがこれから造る寺院建築にも少しずつ活かしていければと思います。
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