浜松 磐田 袋井を中心とした県西部で「木の香りと暮らす」をコンセプトに家造り|宮大工の伝統技術を活かした耐震等級3×高気密高断熱の住まい|宮大工天峰建設 注文住宅ブランドKAHOUの澤元です。
「木を知る、木と暮らす。|KAHOUの木の話」
第5回は、木材の「反り」についてお話ししたいと思います。
無垢材を使った家では、
「床板に少し隙間ができた」
「木が少し反ってきた」
ということがあります。
初めて見ると心配になるかもしれませんが、木は自然素材なので、湿度や乾燥によって動く性質があります。
今回は、なぜ木は反るのか。そして大工はその動きとどのように付き合っているのかをご紹介します。
Q. そもそも、なぜ木は反るのですか?
大きな理由の一つは、木が乾燥すると縮むからです。
ただし、木はすべての方向に同じように縮むわけではありません。
年輪に沿った方向と、木の中心から外側へ向かう方向では収縮する量が違います。
この縮み方の違いによって、平らだった木材が反ったり、ねじれたりします。
森林総合研究所でも、木材は方向によって収縮量が異なり、それが反りや変形につながることが説明されています。
簡単に言うと、
「木は乾燥すると縮む。でも、場所によって縮み方が違うから反る」
ということですね。

Q. 木を切っただけでも反ることがありますか?
あります。
私たちが大きな木材を帯鋸などで引き割ると、それまで真っすぐだった材が、切った後に反り出すことがあります。
これは、木の中に残っていた「成長応力」という力が関係しています。
木は山に立っている間、自分の重さや風、雪などに耐えながら成長しています。
その過程で、木の内部には力が蓄えられています。
丸太の状態ではその力が釣り合っていますが、製材して切り分けるとバランスが崩れ、反りが出ることがあります。森林総合研究所でも、製材時に成長応力が解放されることで反りが生じることが確認されています。
木を切った後に反るのを見ると、
「木の中には、まだ力が残っているんだな」
と感じます。
Q. 大工は「反りそうな木」が分かるのですか?
すべてが分かるわけではありませんが、木目を見ることで、
「この木は少し動きそうだな」
と感じることはあります。
例えば、「あて材」と呼ばれる木です。
斜面に生えていた木や、風などによって傾きながら成長した木には、傾きを戻そうとする力が働きます。
そうした木は、通常とは少し違った木目や性質になることがあります。
実際に木目を見ていると、木目が巻いているように見えたり、木の育ち方にクセを感じたりすることがあります。
そういった材は、製材や乾燥の後に反りやねじれが出そうだな、と注意して見るようにしています。

Q. 無垢の床板も季節によって動くのですか?
はい。
無垢の床板は、室内の湿度によって水分を吸ったり放出したりします。
湿気の多い時期は少し膨らみ、乾燥している時期は少し縮みます。
そのためKAHOUでは、床を張る季節によって施工方法を少し変えています。
例えば、冬など空気が乾燥している時期に床を張る場合は、梅雨時期に床板が膨張することを考えて、板と板の間に名刺1枚程度のわずかな隙間を取ることがあります。
逆に、梅雨など湿気の多い時期は、床材自体が膨らんでいるため、基本的には突き付けて張っていきます。
もし湿気の多い時期に大きな隙間を取ってしまうと、冬にさらに床板が縮んだときに隙間が目立ってしまうからです。
Q. 接着剤にも工夫がありますか?
あります。
無垢材の床を、
「絶対に動かないように固定する」
という考え方ではありません。
木は季節によって動くものなので、その動きに追従できるよう、KAHOUでは弾性のある床用接着剤を使用しています。
また、そもそも十分に乾燥した床材を使うことも大切です。
木の動きを完全に止めるのではなく、
「木が動くことを前提に施工する」
という考え方です。
Q. 柱や梁も、反る方向を考えて使うのですか?
ここも大工の仕事の面白いところです。
木材には、わずかに弓なりになっている材があります。
その反りを見ながら、部材にどの方向から力が掛かるのかを考えて木の向きを決めます。
例えば、上から荷重が掛かる梁では、少し上向きにむくった方向で使います。
建物の重さが掛かると梁は下方向へたわもうとするため、もともとの反りを利用するわけです。
一方、大引などでは、梁とは反対の向きに使うことがあります。
つまり、
木を真っすぐに直してから使うのではなく、その木がどちらへ動こうとしているのかを見ながら使う。
木のクセまで利用するという考え方ですね。

無垢材は「動くこと」がデメリットでもあります
無垢材は、工業製品のようにずっと同じ形を保つ素材ではありません。
湿気を吸えば膨らみ、乾けば縮みます。
場合によっては反ったり、ねじれたりすることもあります。
集成材や合板などは、木材を組み合わせて再構成することで、無垢材よりも反りや割れが起こりにくくなるようにつくられています。
そのため、
「寸法が動く」という点だけを見れば、無垢材にはデメリットがあります。
でも、木目や香り、手触り、経年変化など、無垢材だからこその魅力もあります。
木を動かなくするのではなく、動きを理解して使う
今回お伝えしたかったのは、
「無垢材は反るから悪い材料」ではない
ということです。
木は自然の中で育ってきた素材なので、一本一本性質が違います。
乾燥状態を見る。
木目を見る。
反る方向を読む。
季節によって施工方法を変える。
そして、木の動きに追従できる材料を使う。
私たち大工は、木を完全に動かなくしようとするのではなく、木が動くことを理解したうえで使っています。
木の性質を知ることで、無垢材のちょっとした反りや隙間も、
「不具合かな?」
ではなく、
「木ってこういう素材なんだな」
と感じていただけたらと思います(^^)
【参考:KAHOUの家】外観デザインの特徴>>>https://tenpou.net/all/blog0016/
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